2020/05/29

私が読む

ということを久しぶりにできた気がする

子どもの頃15年間ピアノを習っていた

母は私に勉強をしなさいと

言うことはなかったが

ピアノのレッスンについては厳しかった

泣きながら練習をした

バッハのインベンションやソナチネ

しかし鍵盤に向かうことは

自分に向かえる時間となった

ピアノの部屋にこもること

それは心のうちへいくことと似ていた

進学を考える頃

音楽を真っ直ぐに学んでいくには

その技量がはるかに足りていなかったこと

痛感していた

音楽を学ぶ道へ進んでいたならば

いま聴いて愉しむことが

もっと豊かな時間だったかも知れない

素直にはできていなかったかも知れない

そんなもしものことは

きりがない

ピアノの音が好きで

安心することは事実として

しみている

それを愉しめばいい

久しぶりの「私の」読書は

そんなことを思い出させた

『時間の園丁』に登場するのは

ドビュッシー、グレン・グールド

音楽家はもちろん

井上陽水、安部公房、谷川俊太郎、小澤征爾

いまの私が気になる人たちばかり

どんな道を通ってきたとしても

五月に読んだ三冊

小澤征爾、村上春樹『小澤征爾さんと、音楽について話をする』新潮社、2014

日野原重明『音楽の癒しのちから』春秋社、1996

武満徹『時間の園丁』新潮社、1996